中村宏
NAKAMURA Hiroshi
質感と角度
2018年11月26日(水)−12月8日(土) 日曜休廊
このたびギャラリー58では、「中村宏展 質感と角度」を開催いたします。中村は1950年代より社会状況を記録した「ルポルタージュ絵画」で注目を集め、戦後日本社会の世相や社会状況を鋭く映し出した制作活動が高く評価されています。自らを「絵画者」と名乗り、「モンタージュ絵画」「観念絵画」など、独自の方法論によってタブローを理論化し、新たな絵画表現を切り開いてきました。近年は、遠近法や色彩論などの古典的な絵画技法そのものをモチーフにした作品を展開しています。本展では 新シリーズ「質感と角度」ほか絵画とドローイング16点を展示いたします。モチーフの質感を出すために描くのではなく、「質感」そのものを描くというパロディ的な試みに、時間や連続性が 盛り込まれ、鑑賞者の意識と視覚に問いかけてきます。今年86歳を迎え、今なお絵画の可能性を追求し続ける 中村宏の最新作を、ぜひご高覧くださいませ。
プロフィール
1932年静岡県浜松市生まれ。日本大学芸術学部美術学科に学ぶ。
ギャラリー58での展覧会
2010年 「前衛★R70展 -70歳未満出品不可・完全最新作-」」
2012年 「自画像★2012」
2011年 個展「中村宏 1960-80年代」
2013年 個展「消失点・中村宏」
2015年 個展「一点消失・中村宏」
主な展覧会
1953年 「第1回ニッポン展」東京都美術館 以後第7回展まで出品
1954年 「第7回日本アンデパンダン展」東京都美術館 以後第14回展まで出品
1960年 「超現実絵画の展開」東京国立近代美術館
1970年 「第1回齣展」東京都美術館 以後現在まで毎年出品
1974年 「日本-伝統と現代 〔Japan:Tradition und Gegenwart〕」デュッセルドルフ市立美術館、ドイツ
1981年 「現代美術の動向Ⅰ・1950年代-その暗黒と光芒」東京都美術館
1985年 「再構成・日本の前衛芸術 1945-65」オックスフォード近代美術館、イギリス ほか
1986年 「前衛芸術の日本 1910-70 [ Japon des Avant Gardes 1910-70 ] 」ポンピドゥ・センター、パリ
1988年 「日本のルポルタージュ・アート-絵描きがとらえたシャッター・チャンス」板橋区立美術館
1991年 「芸術と日常-反芸術/汎芸術」国立国際美術館
1997年 「ねりまの美術 ’97 池田龍雄・中村宏」練馬区立美術館
1998年 「戦後日本のリアリズム 1945-1960」名古屋市美術館
2002年 「20世紀。美術は虚像を認知した」平塚市美術館
2007年 「中村宏|図画事件 1953-2007」東京都現代美術館/名古屋市美術館
2010年 「タブロオ・マシン [図画機械] 中村宏の絵画と模型 練馬区立美術館
2012年 「美術にぶるっ SECTION2 実験場 1950s」 東京国立近代美術館
2012年 「TOKYO 1955-1970 A NEW AVANT GARDE」ニューヨーク近代美術館
2013年 「六本木クロッシング2013 アウト・オブ・ダウト展」森美術館
2013年 「消失点・中村宏」ギャラリー58
2014年 「われわれは<リアル>である 1920-1950s」武蔵野市立吉祥寺美術館
2015年 「絵画者 中村宏」浜松市美術館
2016年 「美術は語られる-評論家・中原佑介の眼-」DIC川村記念美術館
主な作品集・著書
『中村宏○画集 望遠鏡からの告示』現代思潮社、1968年
『機械学宣言 地を匍う飛行機と飛行する蒸気機關車』(稲垣足穂との共著)仮面社、1970年
『機甲本イカルス』(稲垣足穂との共著)呪物研究所、1973年
『呪物記』大和書房、1973年
『中村宏作品集★車窓篇』深夜叢書社、1980年
『中村宏画集 1953-1994 タブロオ機械』美術出版社、1995年
『図画蜂起 1955-2000』美術出版社、2000年
『絵画者 1957-2002』美術出版社、2003年
パブリック・コレクション
東京国立近代美術館、国立国際美術館、東京都現代美術館、練馬区立美術館、板橋区立美術館、浜松市美術館、宮城県美術館、栃木県立美術館、徳島県立近代美術館、愛知県美術館、名古屋市美術館、高松市美術館、横浜美術館、刈谷市美術館、千葉市美術館、いわき市立美術館、青森県立美術館、郡山市立美術館、豊橋市美術博物館、うらわ美術館、東京ステーションギャラリー ほか