池田 龍雄   Tatsuo Ikeda

   2009.4.13(Mon)-4.25(Sat)


  タイトル -  『ジャズの窓』 原画を中心に -


   2008年の個展
   2007年の個展
   2006年の個展
   2005年の個展二人展

ジャズの窓 
1961年 インク・コンテ・紙  290×370mm


このたび、初公開となる池田龍雄のペン画 『ジャズの窓』シリーズ13点の展示をおこないます。
これは1961年に大阪フェスティバルホールで開催された、詩人木島始氏による構成の
ジャズイベント『ジャズの窓』の舞台に投影された作品で、
池田龍雄と宇野亜喜良の二人が原画を担当しました。

今回は、この『ジャズの窓』ペン画13点とあわせて、
新聞や書籍などの出版物のために描かれた未発表の原画も展示いたします。


「人間みな動物 - 好奇類・パカラッチ」 
『読書新聞』連載18点の内
1963年頃 インク・紙・コンテ 



「ドストエフスキーの肖像」
『ドストエフスキー読本』扉絵 1980年代



【作家コメント】
モノはコトに発し、コトはモノとして現われる。
ものたちの関係(相互作用)のカタチとして現われる。
これは、いまから約半世紀昔、大阪フェスティバルホールで開かれた、
詩人木島始構成による『ジャズの窓』と題された舞台で、その音の上に、
映像として重ね合わされた絵の原画である。

そのとき果たして音(こと)と絵(もの)とがうまく噛みあったかどうか、
調和したかしなかったか?何とも言えない。
確実に言えるのは、その時の音はとっくに消えたけれども、
絵は依然として残っている、ということだ。
その「もの」を、いま見るとはどういう「こと」か?これもまた何とも言えない。
その他、ここには、かつて何らかの「こと」にもとづいて現われた「もの」たちに、
臆面もなく登場してもらった。



【プロフィール】
1928年佐賀県生まれ。1948年多摩造形芸術専門学校(現多摩美術大学)入学。
まもなく岡本太郎、花田清輝、安部公房らのアヴァンギャルド芸術運動に参加。
以来、文学や映画など、多くのジャンルと深く交わりながら、
一貫して美術の前衛として今日まで活動し続ける。

1954年 養清堂画廊にて初個展。
以後国内外での個展・グループ展多数。
近年の主な展覧会に、
1982年「瀧口修造と戦後美術」富山県立近代美術館(富山)
1985年「池田龍雄の世界展」池田20世紀美術館(静岡)
     「再構成・日本の前衛1945-65」オックスフォード近代美術館(イギリス)
1986年「前衛美術の日本1910-1970」ポンピドーセンター(パリ)
1988年「走図展」INAXギャラリー(東京)
1992年「日本の現代美術1945-1985」東京都美術館(東京)
1995年「戦後文化の軌跡1945-1995」目黒区美術館(東京)
1997年「ねりまの美術 97 池田龍雄・中村宏」練馬区立美術館(東京)
1998年「瀧口修造とその周辺」国立国際美術館(大阪)
2000年「万歳七唱 岡本太郎の鬼子たち」川崎市岡本太郎美術館(神奈川)
2001年 第21回 オマージュ瀧口修造展 「漂着」佐谷画廊(東京)
2005年「瀧口修造 夢の漂流物」世田谷美術館(東京)
2009年「場の位相」ギャラリーM(愛知)
1987・88・91・93・96・97・99・01・04・06年 ギャルリー東京ユマニテ(東京)
1991・96・98・99・00・04・07年 ギャラリーとわーる(福岡)
2005・06・07・08年 ギャラリー58(東京) 他

<パブリックコレクション>
東京国立近代美術館・東京都現代美術館・世田谷美術館・練馬区立美術館・山梨県立美術館・
富山県立近代美術館・佐賀県立美術館・国立国際美術館・広島市現代美術館・熊本市現代美術館・
栃木県立美術館・名古屋市美術館・福岡市美術館ほか多数

著書に『視覚の外縁-池田龍雄文集拾遺-』(沖積舎)、 『芸術アヴァンギャルドの背中』(沖積舎)、
『絵画の距離』(創樹社)、『夢・幻・記』(現代企画室)、『蜻蛉の夢』(海鳥社)など。