吉野辰海 此処へ
YOSHINO Tatsumi | to this point
2023年9月21日(木)−10月7日(土)
12:00-19:00 日曜休廊・土曜日は17:00まで
吉野辰海は1940年宮城県生まれ。1959年武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)油絵科入学。1960年、前衛芸術グループ「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」のメンバーとして活動。1970年代末より現在まで、一貫して犬をモチーフにした作品を主軸に発表しています。
本展では、新作のドローイング70点と立体作品2点を展示します。数年前から展開している《此処へ》シリーズの犬は、体内が空洞化し捻じ切れて、環境や生態系が破壊され混乱した世界や、活力や希望を喪失しつつある困難な時代を象徴しています。この世界で生きてゆく意味や、何処でもない確かな各人の「此処」とは何なのかを問いかけてきます。
《此処へ》シリーズのほかに、これまでテーマにしてきた《唐辛子犬》《投影装置の犬》ほか、葉書サイズを含むドローイングを多数ご覧いただきます。様々な姿に変貌していく吉野の「犬」は、人類や生命体、万物の永久運動(SCREW)など普遍的なものを内包しています。
作家コメント
風景の入れ物として登場した犬は、あらゆる物の運動としての螺旋を与えられ、様々に形を変えて40年造り続けられて来た。2023年発表の形のくずれた犬は、地球の生態系から大きく逸脱した人類の行動の写し絵である。犬は地衣類を始めとしたあらゆる生物の代表として表現されている。此処へとは? (吉野辰海)
吉野辰海 YOSHINO Tatsumi
1940年 宮城県生まれ
1959年 武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)油絵科入学
1960年 ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズのメンバーとして活動
主な個展
1964年 「MONO-KUISHOW」内科画廊(東京)
1966、68年 「INTERIOR」村松画廊(東京)
1986、87、88年 「Screw-らせん」 画廊春秋(東京)
1990、91、93、95、97、99、02、05、07、09年 東邦画廊(東京)
1992年 佐野画廊および佐野埠頭ギャラリー(香川)
1994年 「吉野辰海展(1994の犬)」ギャラリー新居(大阪)
1999年 中京大学アートギャラリー C・スクエア(愛知)
2001、09、16年 ギャラリーとわーる(福岡)
2009、11、13、15、18、21年 ギャラリー58(東京)
2011年 E&Cギャラリー(福井)
2012年 「清水晃・吉野辰海 漆黒の彼方/犬の行方」埼玉県立近代美術館(埼玉)
主なグループ展
1960年 「第2回ネオ・ダダ」 吉村アトリエ(東京)/「第3回ネオ・ダダ」日比谷画廊(東京)
1961、62、63年 「読売アンデパンダン展」東京都美術館(東京)
1969年 「第9回現代日本美術展:現代美術のフロンティア」東京都美術館(東京)
1971年 「第10回現代日本美術展:人間と自然」東京都美術館(東京)
1987年 「オブジェ-逸脱する物質展」つかしんホール(兵庫)
1990年 「現代彫刻の歩み-Ⅲ」 神奈川県民ホールギャラリー(神奈川)
1991年 「芸術と日常:反芸術/汎芸術」大阪国立国際美術館(大阪)
1993年 「異形のFigure 東北の三人」展 宮城県美術館(宮城)
1996、05年 「現代美術の磁場TSUKUBA」つくば美術館(茨城)
1997年 「日本の夏1960-64」 水戸芸術館(茨城)
1998年 「ネオ・ダダJAPAN 1958-1998 -磯崎新とホワイトハウスの面々-」大分アートプラザ(大分)
2002年 「熊本市現代美術館開館記念展:アティチュード2002」熊本市現代美術館(熊本)
2003年 「アートみやぎ2003」宮城県美術館(宮城)
2004年 「4人の作家によるArt≒prophecy・予言(する力)池田龍雄・風倉匠・田部光子・吉野辰海」ギャラリーとわーる(福岡)
2005年 「第21回現代彫刻展」宇部市常盤公園(山口)
2006年 「縄文と現代~二つの時代をつなぐ 『かたち』 と 『こころ』 」青森県立美術館(青森)
2007年 「六本木クロッシング2007:未来への脈動」展 森美術館(東京)
2007年 「風倉匠・田中信太郎・吉野辰海 ドローイング展」ギャラリー58(東京)
2009、11、13、15年 「ART SESSION TSUKUBA」つくば市
2009年 「Art Program OME 2009 7th 『空間の身振り』 展」青梅市(東京)
2010年 「前衛★R70展 ?70歳未満出品不可・完全最新作-」ギャラリー58(東京)
2012年 「自画像★2012 ?9人の美術家による新作自画像と小品展」ギャラリー58(東京)
2014年 「種村季弘の眼・迷宮の美術家達」 板橋区立美術館(東京)
2014-23年 「Square展[30×30cmの正方形展]」ギャラリー58(東京)
2014年 「秋山祐徳太子・吉野辰海 展」ギャラリーとわーる(福岡)
2016年 「Art≒prophecy」ギャラリーとわーる(福岡)
2017年 「2次元×3次元 秋山祐徳太子・池田龍雄・田中信太郎・吉野辰海による平面と立体の新作展」ギャラリー58(東京)
2021年 「ネオ・ダダの痕跡」ギャラリー58(東京)
パブリック・コレクション
宮城県美術館、青森県立美術館、東京国立近代美術館、大阪国立国際美術館、徳島県立近代美術館、熊本市現代美術館、大分市美術館、佐久市美術館、埼玉県立近代美術館、福岡市美術館、宇部市、大宮市、他
2021年の個展
2020年 ネオ・ダダの痕跡
2018年の個展
2017年 2次元×3次元
2015年の個展
2013年の個展
2012年 自画像★2012
2011年の個展
2010年 前衛★R70展
2009年の個展
2007年 ネオダダ三人展