アヴァンギャルド・ポスター・コレクション
2021年5月10日(月)−5月22日(土) 日曜休廊
日本の戦後前衛美術を代表する作家の、1960年代から現代にかけてのポスターをご紹介いたします。
赤瀬川原平/秋山祐徳太子/池田龍雄/篠原有司男/ゼロ次元/中村宏/三木富雄/吉野辰海 他
【パフォーマンスという言葉のなかった時代】
篠原有司男 2021年2月
『見よこの迫力。三木富雄と吉村益信は、はからずも同時にビンの作品を発表した。
一時ヨーロッパで流行したジャンク・アート(廃物芸術)などという生やさしいものではない。
全部パーテーで連中が飲みほしたウィスキーの空ビンと聞いて二度ビックリ。』 篠原有司男著 『前衛の道』 より
新宿は百人町、グループ・ネオ・ダダのたまり場、吉村益信のアトリエ、通称ホワイトハウスの入口は、飲みまくった安ウイスキーの空ビンでドアーも自由に開閉できないありさま。そこに目をつけた吉村は、第3回ネオ・ダダ展で、強力接着剤で空ビンの壁を作ってしまったが、一方銀座文春画廊で個展の三木富雄は、64年東京オリンピックに向け突貫工事たけなわの工事現場で見つけた赤さびだらけの使用済みの太い針金の塊を画廊の壁に取り付けると、この針金の鳥の巣に、ウイスキーの空 ビン50本あまりを差込んだ。個展はスタートしたものの、いまいち物足りない三木は空ビンを引き抜くと、距離を置いて勢いよく空ビンの鳥の巣に投げつけた!ガチャーン、飛び散る破片、パフォーマンスだが、当時はこの手の芸術行為はハプニングと呼び、元祖は糸井貫二、ゼロ次元で70年反パク(万国博覧会反対)に向け、雨後のたけのこの如く出現した。三木のビン投げも2、3日続けたが、画廊側がおそるおそる中止を申し入れ、ハプニングはチョン。
[パノラマ]9つの定点でご覧いただけます
http://art-museum.main.jp/jam_live2021/g58_267/panorama/