吉野辰海

YOSHINO Tatsumi
2009年6月15日(月)−6月27日(土) 日曜休廊

《SCREW – 母なる形姿》
FRP・油彩 143.5×124×88cm

作家コメント
すでに逆転が進行しているのだろうか。例へば時間とか、あるいは生とか死とか。
「SCREW」と大タイトルで名づけられた私の作品群は、ここのところその軸を反転させているようだ。
夢想やあるいは睡眠時間の脳が生み出す夢想が現実と等価になる。制作するものにそれが反映されている。
ある夜中、その映像に、その生々しさにハッと目を覚ます。有性生物すべての生きものが、気付かずに入り込んで行くすきまの反転の中で…とかつぶやきながら、焼酎にトマトジュースをそそぎ込む。
生命体は落日に向かって、重力も危険やら安心する意味やら形も無視し、狂燥の中に入り込んでいく。そして広大な神経系の広大な空間の中で一息つく。

左《SCREW 母なる形姿-象少女 S1》FRP・油彩 66×50×47cm
中《SCREW 母なる形姿-象少女 S2》FRP・油彩 73×33×40cm
右《SCREW 母なる形姿-象少女 S3》FRP・油彩 64×52×45cm

吉野辰海 YOSHINO Tatsumi
1940年 宮城県生まれ
1959年 武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)油絵科入学
1960年 ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズのメンバーとして活動 

主な個展
1964年 「MONO-KUISHOW」内科画廊(東京)
1966、68年 「INTERIOR」村松画廊(東京)
1986、87、88年 「Screw-らせん」 画廊春秋(東京)
1990、91、93、95、97、99、02、05、07年 東邦画廊(東京)
1992年 佐野画廊および佐野埠頭ギャラリー(香川)
1994年 「吉野辰海展(1994の犬)」ギャラリー新居(大阪)
1999年 中京大学アートギャラリー C・スクエア(愛知)
2001年 ギャラリーとわーる(福岡)
2007年 「吉野辰海展:ダンス-発芽するラセン犬;立ち上がる植物神経」ギャラリーエム(愛知)

主なグループ展
1960年 「第2回ネオ・ダダ」 吉村アトリエ(東京)/「第3回ネオ・ダダ」日比谷画廊(東京)
1961、62、63年 「読売アンデパンダン展」東京都美術館(東京)
1969年 「第9回現代日本美術展:現代美術のフロンティア」東京都美術館(東京)
1971年 「第10回現代日本美術展:人間と自然」東京都美術館(東京)
1987年 「オブジェ-逸脱する物質展」つかしんホール(兵庫)
1990年 「現代彫刻の歩み-Ⅲ」 神奈川県民ホールギャラリー(神奈川)
1991年 「芸術と日常:反芸術/汎芸術」大阪国立国際美術館(大阪)
1993年 「異形のFigure 東北の三人」展 宮城県美術館(宮城)
1996、05年 「現代美術の磁場TSUKUBA」つくば美術館(茨城)
1997年 「日本の夏1960-64」 水戸芸術館(茨城)
1998年 「ネオ・ダダJAPAN 1958-1998 -磯崎新とホワイトハウスの面々-」大分アートプラザ(大分)
2002年 「熊本市現代美術館開館記念展:アティチュード2002」熊本市現代美術館(熊本)
2003年 「アートみやぎ2003」宮城県美術館(宮城)
2004年 「4人の作家によるArt≒prophecy・予言(する力)池田龍雄・風倉匠・田部光子・吉野辰海」ギャラリーとわーる(福岡)
2005年 「第21回現代彫刻展」宇部市常盤公園(山口)
2006年 「縄文と現代~二つの時代をつなぐ 『かたち』 と 『こころ』 」青森県立美術館(青森)
2007年 「六本木クロッシング2007:未来への脈動」展 森美術館(東京)

パブリック・コレクション
宮城県美術館、青森県立美術館、東京国立近代美術館、大阪国立国際美術館、徳島県立近代美術館、熊本市現代美術館、大分市美術館、佐久市美術館 他


2007年 ネオダダ三人展