前原 ヨシノブ  Yoshinobu Maehara

2016.2.15(mon)-2.27(sat)


展覧会タイトル  「永遠の意識」 
一歩踏み出したポーズで永遠の意識のなかに埋没する彼は
M.Dに似ている。

2015年の個展
2014年の個展


作家コメント:
身近なかたちで認知症に関わるようになってから、「ディメンティア」「パラノイア」を
制作のテーマや動機付けにしてきた。扱うには深くて広い。

一個人がそうであるように、社会そのものも度々重度の認知症的症状を起こしたり、パラノイア的症状に陥ったりもする。
学習しない悲劇の歴史、その連続性を引き起こす。


昨年の夏、友人が突然死んだ。その時感じたことが、埴谷雄高の『「死霊」のなかの「虚体」』の言葉である。
昨日まで生きていた彼が死人として横たわっている。しかし、昨晩まで私が感じ求めていた彼の意思はそこには存在していない。
不思議。初めての感覚である。
時間のパラノイアを初めてリアルに感じた。

時間とは「現在」を指す観念のことである。実は時間には過去も未来も内在しない。確かなことは「現在」の連続性である。

永遠に連続する「現在」が時間の「虚体」を通して浮かび上がらせた事象が
認知症やパラノイアを内包した意識なのではないだろうか。

コミュニティや宇宙そのものが意識の虚体であり、そこから浮かび上がってみえてくる感性が「永遠の意識」である。




プロフィール:

1956年 沖縄県宮古市生まれ

<主な個展>

2009年 「杜の景」 久我記念美術館)(福岡)
2011年 「杜の面影」 福岡市アジア美術館(福岡)
2013年 「ODYSSEY DEMENTIA MELANCHOLIA」 福岡市アジア美術館(福岡)
2014年 「MELANCHOLIA」 ギャラリー58(東京)
2014年 「杜のほとり」 高架下スタジオSite-A
2015年 「茶・道」 ギャラリー58(東京)

<主なグループ展>
1976年 「4人展」 東亜画廊)
1982、83年 「九州アートナウ展」 石橋美術館(福岡)
1983年 「多数多様態展」 (福岡・熊本・大分
1983年 福岡・ミラノ現代美術展」 福岡・ミラノ
1984年 「多数多様態展」 福岡in関西
1985年 「ダイナマイトショー」 (福岡)
1985年 「第四回宮崎彫刻グループ展」 (宮崎)
1986年 「九州アートナウ選抜展」 石橋美術館(福岡)
1986年 「第五回宮崎彫刻グループ展」 (宮崎)
1987年 「阿蘇現代野外彫刻展 (熊本)
1987年 「第六回宮崎彫刻グループ展」(宮崎
1988年 「九重高原野外現代彫刻展
1989年 「アジア太平洋博覧会」(福岡)
2010年 「三つの様相展」 福岡市アジア美術館(福岡)
2013年 「第8回津屋崎現代美術展―ほてりにて」(福津市)
2014、15年 「Square展」 ギャラリー58(東京)