野口 崇弥 Takahiro Noguchi
   2014.4.14(mon)-4.19(sat)   2013年の個展

《認識のための手》 いずれもキャンバス、油彩 180×140mm


作家コメント:
身体を動かさなければ作品は生まれないし、鑑賞することも出来ません。
作品を生み出す動き、そして作品を鑑賞する動きは、芸術的行動と言えます。

芸術とは理論・哲学や思考といった、脳の中で行われる意識的世界だという考え方は自然だと思えますが、
それは脳が作り出した幻想に過ぎません。芸術的行動とは身体の動きの結果であり、芸術とは紛れもなく身体的世界です。
脳が身体の一部である以上、意識的世界は身体的世界の内部にしかありえません。
人間が意識できる世界とは、その人一個人の、等身大の身体によって認識する世界でしかないからです。
脳の働きは、等身大の身体以上の世界を認識・意識できるように感じてしまいますが、これは幻想です。
しかし現代社会の中では、この幻想こそが現実という概念が当然のこととなってしまっています。

かつてシュルレアリストが求めた無意識の世界とは、まさに自らの、
脳が作り出す幻想の外にある、身体的世界だったのだと私は考えます。
意識的世界の範囲でしか芸術を捉えないのは、世界を狭めてしまっていてつまらないと、私は思います。



プロフィール:
1987年 東京都生まれ
2012年 和光大学表現学部芸術学科卒業

<個展>
2013年 ギャラリー58(東京)