井上 恵子 Keiko Inoue
2007.7.16(Mon)-7.21(Sat)

1979年 京都府生まれ
2006年 東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業
  現在 東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻(油画)在籍中

2005年 プロジェクト「甑島で、つくる。」 
(鹿児島県薩摩川内市)
2006年 「大地の芸術祭-越後妻有アートトリエンナーレ2006-」
(新潟県)
       潮田友子+東京芸術大学油画第三研究室として
2006年 「INTER IMAGE ART EXCHANGE」
        
Queensland College of Art, Griffith University(オーストラリア・ブリズベン)
        
/東京芸術大学大学会館

パノラマ展示風景

【作家コメント】
郊外=suburbにいるということ。

私は現在東京の郊外に住んでいる。
都心に出る際はある私鉄を決して短いとは言えない時間利用している。
その電車は東京西部から都心に向けて郊外を横断し走っている、
言わずともわかるようなあのクリーム色の電車である。
電車の窓から見えるのは、多摩ニュータウンのマンション群である。
皆が揃いに揃って南向きの、「こちら」を向いた窓がある。
何語かもわからないカタカナを接頭語にマンション名や地名がつく。
元来の土地の意味を埋没させるための手段だろう。
散策に適した緑があり、快適な公園がある。玄関先にはディズニーのキャラクターが
モデルになっている置物を置く。郊外は演技の入れ子のようなところである。
郊外での生活が約束された神話の構図であるかのように。
物語はすでに用意されていて人はそこに「はまれば」安住でき、
他人からネガティブな視線では見られずに済む。

私はそれに対しフラットな表面と色彩を用いて明るい絵を描く。
それらの物語の暗さから最も俯瞰した180度反対のポイントから画面を作る。
光沢と発色の強い塗料を用いることで、本来のタブローとしての平面より“suburb”になる。

“main”から外れ“sub”になる事で、何が回収されていくだろうか。


上 「ふんがい/げんいん」 MDFパネル・エナメル塗料 300×300mm 2007
中 「ふんがい/ひがいれい #1」 
MDFパネル・ウレタン塗料・カッティングシート 900×600mm 2007
下 「ふんがい/ひがいれい #2」 
塩化ビニール板・ウレタン塗料・エナメル塗料200×300mm 2007




「しゅみのえんげい#2」 ベニヤパネル・エナメル塗料 182×257mm 2007



「しんりん/よく」 MDFパネル・ウレタン塗料・エナメル塗料 1600×1200mm 2007








golf-landscape  MDF・合成エナメル塗料 60×90cm