秋山祐徳太子と東京都知事選挙
2021年9月13日(月)-10月9日(土)
12:00-19:00 ※日曜休廊・最終日は17:00まで
独創的なブリキ彫刻や、グリコのランナーを模した「ダリコ」パフォーマンスで知られる美術家・秋山祐徳太子(1935-2020)は、政治のポップ・アート化を目指して1975年と79年の2度にわたり、東京都知事選に立候補します。街頭や立合演説会場、テレビ・ラジオの政見送、560万部の選挙公報、1万2千箇所のポスター掲示板、そのすべてを芸術行為の現場とし、当落を超越したひたむきな選挙活動は人々の脳裏に鮮烈な印象を残しました。このときの選挙ポスターは現在、芸術作品として諸美術館に収蔵されています。
本展では、選挙ポスターや写真、映像をはじめ、音声記録、候補者届出書、供託書、選挙公報、候補者用特殊乗車券、腕章、旗、そのほか初公開の資料を多数展示いたします。40数年前の東京都を舞台に繰り広げられ、華々しくも健気に散った秋山祐徳太子候補の泡沫芸術パフォーマンスをお楽しみください。
秋山祐徳太子 AKIYAMA Yutokutaishi
1935年東京・日暮里生まれ。本名は秋山祐徳(すけのり)。1960年、武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)彫刻科卒業。工業デザイナーとして大手電機メーカーに勤務。グリコのランナー姿で走る「ダリコ」をはじめ、ポップ・ハプニングと称する数々のパフォーマンスを展開。1973年初個展。以降、ブリキによる彫刻作品を発表。1975年と79年の2度にわたり、政治のポップ・アート化を目指して東京都知事選に立候補。1992年、赤瀬川原平・高梨豊と写真グループ「ライカ同盟」結成。1994年「秋山祐徳太子の世界展」(池田20世紀美術館)。2011-12年「秋山祐徳太子+しりあがり寿 ブリキの方舟」(広島市現代美術館)。著書に『泡沫桀人列伝』(二玄社)、『ブリキ男』(晶文社)、『恥の美学』(芸術新聞社)、『秋山祐徳太子の母』(新潮社)ほか。2020年4月3日、85歳で逝去。
[記録映像]1975年 立会演説会の音声(ノーカット9分)を聴きながらお楽しみください
https://youtu.be/U7fH1xTMiig
[パノラマ]6つの定点でご覧いただけます
http://art-museum.main.jp/jam_live2021/g58_272/panorama/
美術手帖 2021年12月号 椹木野衣 月評第138回
https://bijutsutecho.com/magazine/review/24933
東京新聞朝刊 2021年9月12日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/130395
毎日新聞夕刊 2021年9月22日
https://mainichi.jp/articles/20210922/dde/014/040/003000c
朝日新聞夕刊 2021年9月22日
https://www.asahi.com/articles/DA3S15052228.html
読売新聞夕刊 2021年9月22日
西日本新聞朝刊 2021年10月7日
図録
『秋山祐徳太子と東京都知事選挙』
A4判 66ページ 1,000円(税込)
1975年・1979年の都知事選関連資料と写真を多数掲載
寄 稿: 石内都 (写真家)/篠原有司男 (美術家)/成相肇 (東京国立近代美術館)
発行日: 2021年9月13日
発 行: ギャラリー58