牧 ゆかり
MAKI Yukari
《ガサガサ ポトリ》
2019年3月11日(月)−3月16日(土)
作家コメント
ボッティチェリが、絵の具をつけた海綿を画面になげつけても、人はそこによき風景を観る、と言い、ダヴィンチはその言い分を批判した。このやりとりは、私に多くの事を教えてくれる。
子供の頃、板の木目が顔に見えたり、雲の形が動物に見えたり、これらの想像や空想が純粋体験となって私の絵画制作と結びついている。絵の具がどのような状態で画面に固着しているのか。絵の具がみせる輝きは、偶発性をはらんだたらし込みや墨流し、にじみによって描き手から離れて解放される。解放された絵の具の表情は様々なイメージを引き出すのに都合が良く、そこに深遠な意味を見出せるものだ。
この世に生まれた私は最初に何を見たのだろうか?絵の具の落ちた点が二つ、目に見える。顔が現れる。
こうやって迎えられた記憶だろうか?気配だろうか?
人は見たいように世の中を観ている、あるいは作っている。私は、画面上での現象を考察する事でボッティチェリが言うように、よき風景を観ているのでしょう。
プロフィール
1976年 愛知県生まれ
2004年 東京藝術大学大学院美術研究科修了
[個展]
2005年 スルガ台画廊(東京)/ギャラリーGAN(東京)/画廊 編(大阪)
2006年 ギャラリー58(東京)
2007年 ギャラリーIDF (愛知)
2008年 ギャラリー58 (東京)
2012年 中京大学アートギャラリ— C・スクエア(愛知)
2013年 ギャラリーM(愛知)
2014年 ギャラリーM(愛知)
[グループ展]
2003年 ギャラリーくさ笛(愛知)/東京芸術大学 学生会館(東京)
2004年 ギャラリーくさ笛(愛知)/gallery J2(東京)
2005年 アートウェーブギャラリーみずほ(愛知)
2006年 ギャラリーIDF(愛知)
2010年 新世代への視点2010・画廊からの発信’10小品展 ギャラリーなつか(東京)ギャラリー58から出品
2012年 河野里沙/ 牧ゆかり展 Utopia of color ギャラリーM(愛知)
[受賞歴]
2001年 トウキョウワンダーウォール 入選
2004年 ファッションドローイングビエンナーレ 入選
2005年 弟20回ホルベイン・スカラシップ奨学生
2016年 シェル美術賞 入選