阿部 直昭  Naoaki Abe
2005.10.17(月)-10.29(土)

1954年 生まれ
1979年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
1987年 西日本美術展優秀賞受賞
1998年 青木繁大賞展わだつみ賞受賞
      宇部ビエンナーレ朝日新聞社賞受賞
2000年 第35回昭和会受賞
      福岡市美術館回顧展

その他個展・グループ展多数

作家コメント
「私のアトリエの中には、昔、荷物を運んだ馬車がでぇーんと居座っている。
その上に遠賀川に転がっていたとても大きな流木が載っている。
これは私がかなり気に入っている光景である。
これらは、アトリエの一員となった日からすごいパワーをもらって描いている。
わたしは自分の絵をうまいと思ったことはない。むしろ下手だと確信している。
ただ、50歳になるまで絵を続けられたことはある人の言葉が強く残っていたからだ。
学生時代にアルバイトをしていた大学近くの食堂に山口長男先生がよく来られて、
大学の先生方と一緒に酒を飲み、最期まで自分を失わずよく絵の話をされていた。
ある時その食堂で私たち学生に絵について話をしていただくチャンスがあった。
『絵は自然と同じだよ』『風雨にさらされない樹木は、幹は真上に伸び、
根は真下に伸びる』『断崖絶壁の木の幹は風の方向に傾き、反対方向に
根がびっしりと張っていく。』『絵も同じだよ。こちらが強く感じれば、
反対方向にバランスのよい配置をすればいい。自然に描くことでいいんだよ。』
わたしにとって神様のような山口長男先生の言葉が今でも心の中に生き続いている。
『自然でいい絵が描きたいなあー』と思っているこのごろです。」