稲葉 寛乃  Hirono Inaba
2008.5.12(Mon)-5.17(Sat)

1983年 福井県生まれ
2006年 福井大学教育地域科学部美術教育サブコース卒業
2008年 福井大学大学院修了


2005年 第19回市美展ふくい入賞(福井市美術館)
2006年 2006年あさご芸術の森大賞展入選(あさご芸術の森美術館)
2007年 
個展 ギャラリー58
      トーキョーワンダーウォール2007選出

2007年の個展



【作家コメント】

見えるようで見えないもの。そういうもどかしさを表現したかった。
手ごたえのない像は,私たちの視覚や記憶の曖昧さと重なっていく。
 
作品の行き着く目標として,鑑賞者が
「見るという行為を意識化する」ことを念頭に置いて制作した。
それは,私たちの日常生活において,
見たい映像はカメラやケータイ,DVD録画機等で手軽に保管でき,
いつでも取り出せるようになったことにある。
 
メディアによる記録の繰り返しの中で見えてくるのは,
「見る」ことに受け身であれば,そのまま情報が横断し,手元に残らないということ。
これは旅先で撮った写真を眺める度に,
それ以外の光景が次第にあやふやになっていくあの感覚に似ている。
この作品に望むのは,私たちが身を置く空間をより注意深く,鋭く見させる機能。 
静けさの中に潜む気配を感じて下さい。

世界はますます見えなくなった  レーヨン糸・染料・スチレンボード H230×W230×D160cm

4000本の糸を用いた、視覚に揺さぶりをかけるインスタレーション。 
ネコ科肉食動物の模型1体につき約100枚のCTスキャン撮影をおこない
その画像1枚1枚を基に、1本1本糸を染付けて天井からぶら下げると
不思議な浮遊感と立体感を帯びた
動物が空間に出現する。










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