◆「機關」12号 風倉匠特集を、
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 「機關」 12号 風倉匠特集  美術をめぐる思想と評論
  編集:機關編集委員会
  発行:海鳥社
  定価:1600円(消費税込) 1981年発行

 

 <目次>
 ●なぜ風倉か 「機關」編集委員会  2〜4P
 ●対談 ハプナーの軌跡 風倉匠―菊畑茂久馬 5〜32P
 ●風の倉・アドバルーン 赤瀬川原平 33〜42P
 ●風を喰って走る風船 刀根康尚 43〜52P
 ●風倉匠論 今泉省彦 53〜61P
 ●風倉匠年譜 62〜100P

 

【本文より一部抜粋】 (中略部分は「…」で表記

●対談 ハプナーの軌跡  風倉匠―菊畑茂久馬 (5〜32P)
菊畑「初めて村松画廊で個展をやるでしょう。どんな作品を出したの?」 …
風倉「ピンポン玉。ピアノ線の先にくっつけて、ピアノ線の長さを違えてね。…
    オープニングには椅子のハプニングをやった。」
菊畑「その時でしょう、初めてアドバルーンをふくらませたのは。どんなふうにしたの。」…
風倉「床に直径5m位の大きなアドバルーンを敷いてね。…
    最終日に片付けてたら瀧口(修造)さんが来て、1点オブジェを買って呉れた。三千円で。」


●風の倉・アドバルーン  赤瀬川原平 (33〜42P)
「風倉の次のアトリエは武蔵境だった。…たいていは窓ガラスをツンツンと爪で叩くのだけど
いないときはその古机に足をかけて、窓から部屋に入って待っている。…
芸術という言葉は、電車の中とかラーメン屋などで使うと大変恥ずかしいものである。
だけどそれの語源というものを考えてみれば、それは非常に神聖な言葉なのである。

その武蔵境の竹林に囲まれた四畳半の洋間の中では、その芸術という言葉の語源が
部屋のあちこちで、ジリジリと、まるで黴(カビ)のようにビッシリと発生しているようだった。
小さなキャンバスにも、石油コンロにも、…油のしみた座布団にも、その上にある貯金通帳にも
芸術という言葉の語源がビッシリと付着している。作品といわれるものにも、それ以外のガラクタにも、…
均一に芸術という言葉の語源がしみ込んで光っている。何故か理由はわからないけど、
その湿った部屋の中のすべてが美しいのだった。それも神聖な光で輝いている。…
その同じ着古したジャンパーを風倉が着ると、その袖口からほつれて垂れる何本かの糸が
まるでキリストの指先のように光るのである。といって大袈裟であれば
そのほつれた袖口がまるで泰西名画のように輝くのである。」


●風を喰って走る風船  刀根康尚  (43〜52P)

「小杉(武久)と風倉と私は九州派という前衛美術集団主催の「英雄たちの大集会」という古風な名前の集会に招待された。…
大阪で途中下車をして…グタイ・ピナコテカに押しかけてグループ音楽の演奏会をタッタ今させろと売りこんだ。
今考えれば無茶な話だが、アッサリ断られて、中之島にかかっているナントカという有名な橋の上で
少々パフォーマンスをやって引き上げた。」